椎名:北岡先生にとっての天才と凡人の違いはなんでしょう?
北岡:この質問につきましては、「一を聞いて一しかわからない人」と「一を聞いて十わかる人」の違いと言えるかと思います。
椎名:なるほど、一を聞いてさまざまな事を吸収できる人ということですね。
北岡:はい。私の本やワークでも私がよく言っていますが、「run three miles」という英語の表現を聞いて、これを一つの塊として「3マイル走る」という対応訳ととともに覚える人は、「水平的学習」しかできない人ですが、その一方で、「run」は「移動を示す自動詞」つまり (「walk(歩く)」、「go(行く)」、「move(移動する)」等) と互換可能であり、「three (3)」の代わりには、ありとあらゆる無限の数の数字を入れることが可能でり、「miles (マイル)」は「距離の単位を示す名詞」 (「cm(センチ)」、「m(メータ)」、「km(キロ)」等) と置き換え可能であるというふうに、具体的な項目の裏にある抽象的な「公式」がわかる人は、「垂直的学習」ができる人です。
椎名:NLPはまさにこの学習にうってつけですね。「すべての出来事は例である」という考え方からしても「一を聞いて、(例ととらえて)十を理解する」と言えますね。
北岡:この違いが、学生時代の「同じ時間しかかけないのに、なぜ凡才と天才がいるのだろうか」という私の問いに答えるものだと思います。
椎名:では、どうやったら天才になれると思いますか?
北岡:この質問の答えは、たとえば、「個人的な天才になるには何が必要か?」や「先生の中での天才とは?」といった質問に関連したものであり、同時に、今答えた「できる人とできない人の違いは?」への私の回答ともつながってきます。
すなわち、私にとって、個人的天才とは、「一を聞いて十わかる、垂直的学習ができる人」のことです。ちなみに、「個人的」とは、自分が置かれた状況、職種等の中で最高のパフォーマンスを発揮できるという意味なので、「個人的天才」とは、なにもレオナルド ダ ヴィンチやピカソになることではなく、たとえば、町工場で業界最高の技能を発揮している人を意味するにすぎません。
椎名:北岡先生が最近おっしゃっている「アメリカンクラッカーモデル」とも関係が出てきますね。
北岡:ちなみに、先ほど私は、「一を聞いて十わかる人」とは「一人で公式の発見 -(これは、左脳的作業ですね) -とその公式の適用 (つまり右脳的作業) の繰り返しを続けていける人」であると言いましたが、この左脳的作業と右脳的作業の反復的繰り返しは、私が最近提唱している「アメリカン クラッカー モデル」と密接に関係していますし、さらに「演繹的学習」と「帰納的学習」の反復的繰り返しともつながっています。
椎名:なるほど、ありがとうございます。
椎名:話題が少し変わりますが、先生がNLPで一番感動的な体験をしたのはどんなことでしょう?
北岡:これに関しましては、「絶対抜け出せなかった『蟻地獄』からの脱出」を可能にしてくれたことでしょうか。
椎名:同感です。私のエピソードにはなりますが、私にも『蟻地獄』がありました。先生の蟻地獄、もう少しお聞かせ下さい。
北岡:振り返ってみると、「蟻地獄」と思うのは「意識」だけで、無意識は、常に、あるフレームまたはボックスには押し込めることのできない無限の可能性とアクセスできることを知っていたような気がします。 エリクソンは、「人間の心身的問題が起こる唯一の原因は、無意識とのラポールが取れていないことだ」と言いましたが、まさに、このラポールを取らせてくれたのがNLP でした。
椎名:確かに!エリクソンのこの言葉は多くの方の悩みに触れれば触れるたびに重みを増してきますね。
北岡:さらに言うと、無限の可能性は青空を意味し、蟻地獄はその空を覆っている白い雲の一つ一つを意味しますが、NLP によって、私は、白い雲との自己同一化解除し、ますます青空と自己同一化することがきるようになりました。
椎名:先生、ありがとうございます。
北岡:椎名さんにとっての悩み特にうつ病の解消方法のコツは何ですか?
椎名:その人の頭の中の過去の意識にとらわれてしまっているのがうつ病の状態だと思います。3年間うつ病で苦しみました。と言う方にはたとえば4年前の話を聞きます。4年前は悩んでいなかったわけですから、多くの場合には調子がよい部分(パート)が顔を出します。「うつ病ではない状態のクライアントを探す」それが最初の仕事ですが、6次元的にアプローチが可能です。
北岡:ディルツですね。
椎名:はい。それを使うことで頭の中の「うつ病」の領域がいかに狭いかがよくわかります。時間軸で言うと80歳まで生きるとしたらたった3年しかうつ病の時間軸はないのですから、その前後には無限の可能性があります。そして、東京の都市、都会の中で悩んでいるのなら、バリ島、ワイキキ、ヒマラヤ、ディズニーランドなど悩めない場所が世界中に無限に広がっています。こうして無限の可能性の中でう つ病を見るとほとんど点です。
北岡:ボックスの中にいると言うことですね。
椎名:そうなんです。そのボックスは本当に狭い。中にいたらそれこそ『蟻地獄』です。ボックスの外にいざなう話をすると人は一気に変わります。ボックスが狭い分、外に連れ出すのも結構簡単で、多くの場合、5分くらいでうつ病ではない話になっちゃいます。ワイキキのよさを10分くらい話して盛り上がってから、今の自分を思い出していただくと、「意外に大丈夫かも」と言うことになってきます。その上でワイキキでの自分を使って、白い雲を取り去っていくのです。青空と自己同一化をしていただくとさらに安定してきます。
北岡:青空と自己同一化を簡単にできることがNLPの強みのひとつですね。それを上手に使われている。
椎名:ありがとうございます。
私たちは「ほめられたとき」「15分以上運動したとき」「悩んでいる自分以外に同一化したとき」「新しい刺激を受けたとき」「思考をとめたとき」にうつ病の症状が霧が晴れるようにすっきりします。NLPにはそれを実現する道具がたくさんあります。認知行動療法で数ヶ月かかっていたことが30分でできてしまうのは奇跡的です。
北岡:椎名さんのこだわりって何でしょう?
椎名:うつ病の解消は自分自身が元気になるだけでは片手落ちで、NLPで得た変化を「実践」して社会とつながることだと思います。
思考自体も個人の枠をでると飛躍的に可能性が広がります。その領域ではシンクロニシティと呼ばれる一致がおき始めます。悩み始めたときに社会とつながっていたその方法は「主導権を社会に奪われた状態」ですが、NLPを実践していくと「主導権をとった状態」で社会とつながることができます。最高に幸せな人生を生きるためにこれは最低限度必要なことだと思います。
そして、今の日本ではこれを教えてくれる人がいない!私はそこを変えていきたいのです!
北岡:ありがとうございます。お互いにこれからがんばりましょう!
椎名:はい。ありがとうございます。がんばりましょう!